中村俊輔「もう現役長くない。だからこそ」一問一答中村俊輔「マリノス離れるとは…」 苦悩の末に磐田移籍

横浜MF中村俊輔(38)が磐田に移籍することが8日、両クラブから発表された。中村はこの日、横浜市内で取材対応した。

 ◆中村の一問一答

 -移籍決断の理由は

 中村 スポーツは楽しんだり、練習したことを試合に発揮して、うまくいかなかったら見直してまた、次の試合まで上達する。そのサイクルに戻りたい。もう現役は長くないと思う。だからこそ、サッカーへの情熱だったり、純粋にボールを追いかけたりしたい。信頼とか、そういうものを感じながらサッカーをしたい。自分がマリノスを離れるなんて、そんなこと考えたことなかった。そういう風になる自分が不思議で…。今季は何回も考えたり、苦しい時間だった。サッカー人生で今までにない。マリノスのユニホーム、ましてや「10」だし、引退以外、脱ぎたくないでしょ。でも、そういう中でやらないと、今後、サッカーに携わったときに、10年後、20年後か分からないですけど、悔いが残るなというのがあったので…。

 -この1年での変化か

 中村 去年はなかった。今年はいろんなものが変化した。サッカー選手で毎日、現場に出る。例えば、プライベートで問題があったりしても、グラウンドに来るとなくなってたの。でも、そうではなくなってきた時に、苦しくなっていったなあ…。いろんな問題が今年、起きた中で、選手として、主将として、人間として、マリノスもそうですけど、サッカーチームとして「これでは…」「ここは違うぞ」とは言ってきたつもり。それでも変えられるところ、変えられないところもあるし、そこは僕も理解しています。今日も長谷川(亨)社長と会いましたけど。食事も3回、2人だけで会ったのも5、6回。これだけ扉を開けている社長もいないですし、僕らの声を聞いてくれたのはありがたかった。僕も、社長の立場は分かります。オープンにして話せたのはありがたかった。お互いが理解し合いながらやれたのは大きいし、最後まで強い言葉で「ここでユニホームを脱がないといけない選手」「マリノスという枠でなく日本の宝だ、自分の所から離れていくのは悔しい」とまで言ってくださった。それに「最後は戻ってきてほしい。そういう契約を織り込もうか」と言ってくれた。それは、保険をかけるのは僕は嫌だったので。行くからには骨をうずめる気持ちでやるし。

 -サポーターへ言いたいことは

 中村 何か、応援される側の領域でなくて、育てられたという感じがしている。本当に、皆さんの前で報告、あいさつができないのは申し訳ない気持ちだし、今季、なかなか試合に出られなかったので、順位も良くなかったし、選手として主将として申し訳ない気持ち。自分が引っ張らなくてはいけないし、中位で終わってはいけないチームだと思う。もちろん、天皇杯ベスト4もそう。ベスト4を強調するけど、それではいけない。1位以外はビリだという精神をね。キー坊(MF喜田)とか若い選手が、モンバエルツ監督の起用もあって試合に出るようになってから、殻が破れた。そういう選手が何人か出てくるとうれしいかなと。マリノス育ちのマリノスイズムを持った選手が花開くのはいいこと。サポーターの方々が13年に「俊輔と優勝したい」と横断幕を掲げてくれた。個人名じゃないですか。それだけ、自分を大事にしてくれてると思うと、やっぱり、そういうのも含めてもちろん、出て行くこと、チームを変えることがベストなのか…ずっと考えていた。失うものが多いと思うんですけど、新しい挑戦、道に行こうかなと。そういう中で、(磐田の)名波(浩監督)さんと服部(年宏強化部長)さんに、声をかけてもらって。自分の状況とかも分かってくれて。1回会った時は「うちに来いよ」でなく「門は開いてます」と言ってくださって。

 -グラウンドで苦しさを感じた理由

 中村 今まで、子供の頃から代表の時も、いろんな壁があった。例えばトルシエだと左サイドをやって「どうしようかな」と悩んだり。南アフリカ(W杯)も試合に出られなくなってきて。いろんな挫折や壁があった。そういうのって、もがいて乗り越えようとする。今回も、いろんな格闘もあってもがいたけど。そんなに長いこと、サッカーできないので。そうしたときに、もっとこう、真摯(しんし)にサッカーと向き合ったときに、この壁の種類は、もう超えようとしなくていいんじゃないかと。(壁を)降りて違う道に戻らないといいゴールはできないんじゃないか。

 -どんなゴールを?

 中村 サッカーの自分の持っている情熱を、ぶつけられる。完全燃焼して悔いが残らない終わり方ですね。サッカーと向き合えればいい。そうなった時に、ここではないのかなと。ジワリジワリときた決断。やはり、マリノスでプレーしたいし、マリノスで終われれば一番いいと思っていたので。それが少しずついろんなものがあって。「これは違う」と言ったことが変わらなかったりしたら、その繰り返しは何なのかと。毎日「それは違うんじゃないか」と。そんなことは普通、ないことで。どんどん、サッカーと向き合う時間がなくなって、そっちの方が多くなる。でも主将としてはそれをやるし。そういうところから、いろんなバランスが崩れていった。

 -中村選手が抜けるとマリノスでなくなってしまう

 中村 いやいや、ボンバー、(栗原)勇蔵もそうですけど、特にこの2人はマリノスで完全燃焼できるように、サポートしてあげて欲しい。ボンバーなんかは、ちょっと寂しい。ライバルというか戦友。35歳ぐらいの時に「衰えがきたかな」と思ったけど、粘って上がってるし。シュートブロック数だけでも大きいし、空中の滞空時間も衰えてないんだよね。おれも、自分なりのペースで頑張っていた。見本であり、尊敬できる選手。つながっているようでライバルであり、チームメート。それで離れるのは結構、でかいんだよね。

 -マリノスに残る選手たちへ

 中村 感謝の気持ちですね。主将の器、行き届かなかったところが多々ある中、副主将の4人、ボンバー、勇蔵、飯倉、兵藤…。全員がキャプテンみたいな感じだった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170108-01762692-nksports-socc&pos=1
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